おっぱいパブには行ったことがあった。
あんまり可愛くない女の子だったけど、初めて母親以外の女のおっぱいを触ったし、生まれて初めてキスもした。
正直気持ち良かった。
でも何故か、泣きたかったんだよな。
そんで1ヶ月くらい経った。
その日は仕事で、大分に出張でホテルを取ってあった。
仕事の先輩と一緒のホテルに宿泊することになっていたので、まぁいつものように飲み会に誘われたってわけ。イヤだけど。
作り笑顔で顔の筋肉が引き攣りはじめた頃、時計は10時を回ってた。
「お前○○さん(先輩の上司)におっパブに連れてかれて、ファーストキスまで奪われたそうだなww」
唐突すぎる質問だったけど、俺は正直に「あっ、はい」と答えた。(童貞なので何でも正直に答える)
そしたら「お前そこまでいくんならソープで童貞捨てろやw 俺が連れてっちゃるか?w」ってさ。
大分と言えば別府。
別府には、竹瓦温泉っていうやたら古ぼけた温泉があって、その周りには温泉を取り囲むように特殊浴場、俗に言う「ソープランド」がひしめき合っているんだよね。
何もわからないまま、その怪しすぎる店の1つに連れて行かれたわけだけど、俺もなんだかんだで期待していたわけ。
「ついに女の子とエッチな事ができるんだ……」
そんな妄想でちんぽこは甘勃起。顔もニヤけてたかもしれないな。
初めて入るから勝手が分からなかったけど、腹巻きを付けた店のオッサンは手際よく写真プラカードをテーブルに並べていく。
この中から女の子を選べって事らしい。
先輩はやたらジロジロ吟味してたけど、俺はというと
「へぇ…こんな感じで女って売られてるんだなぁ……」
とかぼんやり考えてた。
「お前もう決めたんか!?」と先輩に急かされ、我に返り写真を眺めたけど、良い女の子がいない。
顔はぼやけてるし、そもそも「俺の一生に一度しかない童貞を、この女達の誰かに散らされてしまうのか」と思うと易々と決められない。
しびれを切らした先輩が「じゃあ別の店に行くぞ!」って出ていったので、俺も席を立った。
二軒目は、入り口にでかでかとアニメ絵の女子高生が描かれた、いかがわしすぎる店。
さすがにここで決められないと先輩の堪忍袋の緒が切れそうだったので、真剣に女の子を選ぶ。
童貞なので「24歳の黒髪ロングの女の子」に決定した。
待合室で待機していると、「どんな女の子なんだ……」「これから童貞を奪われるんだ……」と猛烈に緊張してきて腹が痛くなってきた。
汗を流しながら腹を押さえていると「じゃ、お客様ご案内です」とボーイに呼ばれる。
文字通り腹を括って俺は立ち上がった。
ボーイに赤ちゃんみたいな足取りで付いていき、女の子とご対面。
そこには確かに黒髪ロングではあったが、明らかに30代後半みたいな女が立ってた。
ま、そうだよな。
黒髪ロングに連れられて部屋に行くと、「あ!これ同人誌で見たことある~!」っていう例のイスやら例のマットが置いてあって変に感動した。
ベッドに座ると、ある程度冷静になり、周りが見えるようになってきた。
黒髪ロングは、明らかにプロフィールに書いてあった24歳とは思えない顔の年輪を描いていたが、肌は綺麗だった。それに胸も意外と大きい。バストは86だったか。童貞なので目視で正しいのか判断できない。
そして、この女が生まれて初めてセックスをする女なんだな、と。
まずは身体を洗ってもらう。洗われながら「俺、童貞なんで、き、緊張します」「え~!私も緊張しちゃうな~」とかそんな会話をしてた。アホみたいだな
この時、初めて女の子にちんちんを洗ってもらって、すごく感動した。
身体を拭いてもらったら次はベッド。
初めてフェラチオをしてもらったわけだけど、これが一番気持ち良かったかもしれない。
黒髪ロングはフェラチオをしながら器用にちんちんのゴムを付けていく「あ!これ同(略)」
セックスだ。
ここまできたら、もうセックスまでやるしかない。
まんこの穴の位置が分からなかったので、ヘラヘラと気持ち悪い笑顔をしながら「あ、ここッスかね」とか言いながら黒髪ロングにエスコートされて挿入。いわゆる正常位でちんちんを膣に出し入れしていたが、ここで重大な問題が発覚。
気持ち良くない。
24年間でちんちんがワガママになってしまったのか、女の膣に入れても全然気持ち良くない。
黒髪ロングは演技で(多分)あんあん喘いでいたけど、一向に射精感が来ない。
ある程度は覚悟してたけど、ここまでとは思わなかった。
俺は目をつぶってちんちんに感覚を集中させる。ここで冷静になったら負けだ。興奮し続けろ。そう念じる。
ほどなくして俺の精神統一のお陰もあってか、射精感が湧いてきた。
「あ、いく、いくよ」
自分で言ってて相当気持ち悪いトーンで射精宣言。
黒髪ロングがうんうん頷いたのでそのままゴム射。
事務的な作業でゴムをゴミ箱に捨て、汚い身体を洗われていたら電話が鳴った。
俺は素人童貞になったんだ。
別府の硫黄臭い空気を吸いながら、俺はロングコースで入った先輩を店の外で待つのだった。
おわり